2022年度 大阪府公立一般入試問題分析と今後の受験に向けて求められる力(数学編)

 

 

・数学C(発展)問題

▶分析

 今年のC問題は従来の試験範囲なので2020年の問題形式に戻っています。小問集合問題、平面図形問題、空間図形問題の3題で構成されていて、図形問題の出題数が復活しています。全体的な難易度は昨年と同じレベルで、2020年の問題よりは取り組みやすい内容です。記述問題は過去5年同様に2問出題されています。平面図形は円における問題で、三角形の相似の証明問題と相似や三平方の定理を利用して長さを求める問題が出題されています。空間図形は五面体における問題で、長さや面積、体積を求める問題が出題されています。

 

▶求められる力

 大阪府の数学C問題は複雑そうに見えますが、基礎知識の範囲内で解けるものの組み合わせで作成されています。ただし、短時間でその組み合わせを見抜く必要があります。一つ一つの知識や解法は基本的でも、複数が組み合わさると、子どもたちは難しいと感じます。だからこそ、単独で理解するだけではなく、複数の知識や解法が組み合わさった問題にも対応できる力を身につける必要があります。一つの方法を試みてうまくいかないと、その問題を放棄してしまう生徒がいますが、「この方法が無理なら次の方法を試してみよう」と多角的なものの見方でアプローチできる力につけることが重要です。そのためには、過去の大阪府入試問題を数多く練習することが最も効果的であると考えられます。

 

 

・数学B(標準)問題

▶分析

 今年のB問題は従来の試験範囲ですが、図形分野の問題が2020年以前のものより縮小されました。計算問題、小問集合、1次関数(規則性)の問題、図形問題の4題で構成されています。全体的な難易度は昨年と同じレベルで、2020年の問題より取り組みやすかったと考えられます。平面図形の問題では平行四辺形における相似と三平方の定理を利用する問題でした。空間図形は四角柱においてねじれの位置を問う問題と相似や三平方の定理を利用して長さや体積を求める問題が出題されました。

 

▶求められる力

 大阪府の数学B問題では基礎知識を用いて時間内に正確に解く力が求められます。また、複雑な数値計算でもミスをしないことが求められており、高い計算力も身につける必要があります。子どもたちは、単純な数字では理解している内容でも、少し複雑な数字に変わるだけで、難解な問題だと判断して考えることをやめてしまうことがあります。だからこそ、複雑な計算であっても制限時間の中で、正確に解けるようになる訓練が必要なのです。過去の入試問題で練習する際に解法だけ理解して満足する生徒がいますが、必ず自分の力で答えまで求める練習をしてほしいものです。

 

▷「国語」の入試分析はこちら。

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▷「理科」の入試分析はこちら。

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