2020年度 大阪府公立一般入試問題分析と今後の受験に向けて求められる力(国語編)
・国語C(発展)問題
▶分析
今年のC問題は論説文・随筆文・古文・漢字や熟語の組み立てなどの言語事項・作文の大問5題構成でした。漢字などの言語事項が一つの大問となり、論説文・随筆文における小問数は少なめになっています。また、論説文・随筆文では例年通り記述問題が出題されていますが、今年は指定字数が75字以上90字以内の記述をはじめとして4題出題されており、昨年に比べるとトータルの記述量は多くなっています。さらに、今年の記述問題は、難解な文章内容をきちんと把握し、筆者の主張を理解したうえで、文章中から解答使用箇所を特定していく、という多くの段階を必要とする問題であったため、各段階で苦戦した生徒が多かったと推測されます。作文も例年通り、300字以内という字数条件で出題されています。資料(グラフ)をふまえ、「コミュニケーションを図る際に心がけたいこと」について自分の意見を論じる、という論理的思考力や表現力が問われるものでした。
▶求められる力
現代文では、難解な文章の要旨を正確に読み取る力、短時間で問題文の意図を理解して解く情報処理能力が求められます。選択肢問題も、各選択肢文自体の内容把握が必要となる難解なものですが、正誤を瞬時に見極められなければなりません。また、記述問題では、文章中から解答に使用できる箇所を素早く特定したうえで、必要な要素を取捨選択して指定字数内にまとめる力が必要です。一方で、古文・漢字や熟語の組み立てなどの言語事項は基本的な事柄が理解できていれば十分対応可能であったため、教科書内容の理解を疎かにせず、日頃から幅広い知識を身につけていくことが大切です。作文においては、普段から様々なことに関心を持ち、自分の考えを深めていくこと、資料やデータから本質を見抜く力、根拠を持って自分の意見を論理的に述べる力を身につけていくことが重要です。
・国語B(標準)問題
▶分析
今年のB問題は、論説文が2題・古文・漢字や文法や漢文(返り点のつけ方)などの言語事項・作文の5題構成。現代文では、25字以内と30字~40字の記述問題が出題されています。字数はそれほど多くありませんが、空欄前後の言葉に合わせて必要な言葉をまとめることに苦戦した生徒が多かったのではないでしょうか。一方、漢字や文法などの言語事項は基本的な知識を問うものでした。作文は昨年同様260字でしたが、今年は資料から読み取れる内容をもとに、自分の考えとそのように考える理由を、論理的で、かつ説得力のある文章で展開する力が求められました。
▶求められる力
現代文では、本文の要旨を正確に読み取り、短時間で問題文の意図を理解して解く情報処理能力が求められます。空欄補充型の抜き出し問題では、文章内容をきちんと把握したうえで、空欄の前後を参考にしながら、本文の適した箇所を素早く探し出す力が必要です。一方、文法や漢字、漢文などの言語事項は基本的な事柄を問われるため、取りこぼしのないように、幅広い知識の習得を早くから意識して学習することが大切です。また、作文においては、自分の意見を論理的に述べられるよう、普段から自分の考えをしっかり持ち、それを表現する練習が必要です。