2020年度 大阪府公立一般入試問題分析と今後の受験に向けて求められる力(社会編)
▶分析
今年度の入試問題は、難しかった昨年度から一転、非常に解きやすいものでした。社会が得意な人なら満点近い得点を取ることも可能で、逆にミスが許されない内容でした。文章記述問題に関しては、昨年同様、短文を書かせるものが多く、配点も昨年と同程度でした。地理は、気候・人口・環境などのテーマに基づいた資料の読解や統計の考察能力を問うものもありましたが、基礎的な知識を問うものが多く出題されました。歴史は、古代・中世・近世・近代・現代という時代ごとに3~4問ずつ出題され、例年通り近現代が多く出題されました。「〇世紀のできごと、〇〇年の出来事を選べ」という形式の問題や並び替え問題が昨年よりも少なく、地理分野との融合も例年ほど見られなかったため、基礎をしっかり固めた人ほど得点しやすかったと思います。公民は、経済分野に重点が置かれ、現代社会が抱える課題に関するテーマを問う傾向が強くなってきています。
▶求められる力
学校の地理学習では「九州・中国・四国…」と地方ごとに学習していきますが、それだけでなく、常に「自然」「人口」「産業」といったテーマを意識しながら学習する必要があります。歴史の学習では、語句を単独で暗記するのではなく、各時代の大きな流れをストーリーとして理解するよう意識しながら、出来事を地図とセットにして覚え、地理分野との融合問題にも応用できる力を養っていかなければなりません。公民では、国会・内閣を中心に政治のしくみを正確におさえ、人権、租税や財政、国際社会などについてもしっかりと整理しておきたいところです。今後も社会の入試問題の難化が予想されます。単に語句を暗記するのではなく、関連する語句どうしを結びつけたり、資料や統計から考察したりする訓練を重ね、融合問題にも対応できる力を身につけていく必要があるでしょう。