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数学は美しい

2020.06.24

 

 
いきなりですが、みなさんは数学でよく使う記号、いや、数学だけでなく日常でもよく使う記号、「=(イコール)」に2つの意味があることをご存知でしょうか。「=」は日本語では「等号」と呼び、文字通り「等しい」という意味をあらわす記号です。しかし、完全に一致している「もうそれしかない!」という意味をあらわしているときの「=」と、ある特定の条件がそろった時だけ「今、ちょうどつり合っています!」という意味をあらわす「=」があるのです。

 

2+8=10
この場合、完全に左辺と右辺が同じ状態、「それしかない!」という状態です。

 

2a+8=0
一方、この場合は2+8が0になることはありえませんが、aが特定の条件を満たせば、2a+8が0になることができます。つまり、aの値が-4のときが「今、ちょうどつり合っています」という状態になります。

 

そもそも、つり合っているという状態とは、バランスが保たれている状態のことで、天秤で重さをはかるときのことをイメージすると、微調整を繰り返した結果の均整のとれた絶妙な状態のことなのです。そして、数学におけるあらゆる問題に挑むことは、与えられた条件を理解し、試行錯誤し、バランスの取れた状態に近づいていく作業と言えるでしょう。

 

「数学は答えが一つだから面白い」という考え方もありますが、正確にはバランスが保てる、ちょうどつり合うスウィートスポットを、どう見つけていくかが本当の面白さなのではないでしょうか。そう考えると、答えを出すことももちろん大切ですが、何度も繰り返しトライしていくことに数学の本当の価値があると思えてきます。今、「数学が苦手だ」という小・中学生のみなさんも、何度も何度もトライすることが数学を面白いと感じる第一歩なので、「あぁでもない、こうでもない」と悩むことが大切なのです。是非とも悩むことをやめないでくださいね(笑)。

 


 
ところで、昨年公開された、人気・実力若手NO1俳優の呼び声が高い菅田将暉さんが主演した映画「アルキメデスの大戦」では、彼演じる天才数学者・櫂直(かいただし)が、劇中で何度も「数学は美しい」と熱弁を振るっています。そんな櫂直の癖は、どんなものでもメジャーで測ること。美しいと感じるものには必ず数学的な秘密があると考え、計測します。同時に数学的にバランスが保たれている、つまり「=」であらわせるからこそ美しいのだとも考えています。ときには浜辺美波さん演じる美しい少女の顔も躊躇なく測ります。天才と何とかは紙一重と言いますが、少し変わっているところも菅田さんは魅力的に演じられていました。そんな櫂直が無理難題に立ち向かったときに言った一言が「やるなら徹底的に!小さいことを全力で!」でした。美しいもの、天才の裏側にあるものは意外とシンプルなのかもしれませんね。